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低温高圧抽出法
植物を精製水、無水エタノール、食品用アルコールなどの溶剤に浸し、8気圧程度の圧を加え、エタ
ノールなど溶剤を植物の細胞内に浸透させ、芳香成分などを吸着させ、常圧に戻す際にそれらを細
胞の外に引き出します。このサイクルを繰り返すことによって、溶剤に芳香成分などを高濃度で抽出
する方法です。
水蒸気蒸留法
熱に強い芳香成分を含んだ植物はこの方法で精油成分を抽出しています。抽出にはアランビッ
クと呼ばれる銅製蒸留器が昔から用いられ、特に銅は殺菌作用もあり、熱伝導の効率も高く、良
質の精油や芳香蒸留水を抽出することができます。蒸留器に水を入れ、その上に布などで包ん
だ植物を置き、水蒸気をそれらの植物に通し、水蒸気を冷やすことにより、精油及び芳香蒸留水
(ハーブウォーター)を得ることが出来ます。バラの花弁など薄いハーブや高価なハーブは一
般的なハイドロ蒸留法で抽出が行われます。
油脂吸着法
油脂に植物の芳香成分を吸着させる方法です。温浸法(Maceration)と冷浸法(Enfleurage)があり、
温浸法は植物を油脂に浸す際に60〜70℃に温め、冷浸法は温度を加えず、室温で芳香成分を抽出
するため花などの芳香成分を抽出するには理想的な方法ですが、人手がかかるため今ではあまり
行われていません。この油脂をアルコールで溶解し、油脂を除去した後、アルコールを低温減圧下で
取り除いたものがアブソリュートと呼ばれる芳香成分です。
超臨界抽出法
炭酸ガスを30MPaとも50Mpaとも言われる超高圧下で31.2℃以上に保つと炭酸ガスは液体でもない
気体でもない、いわゆる臨界状態となり、その状態で行う抽出法。非常に自然に近い状態での抽出
の上、常圧、常温に戻すと炭酸ガスは自然に放出され、溶剤の残留のない抽出成分を得ることができ
ます。但し、チェンバー内を超高圧に保つためは非常に高価な設備が必要となります。
溶剤抽出法
ヘキサン、ベンゼン、石油エーテルなどの有機溶剤を用いてローズ、ジャスミンなど精油の成分を
抽出する方法で、植物と溶剤を混ぜ、攪拌した後、植物を取り除き低温減圧下で溶剤を除去します。
この状態で得られた物質をコンクリートと呼び、このコンクリートをアルコール抽出を行い、不要成
分を除去し、さらに低温減圧下でアルコールを取り除いたものがアブソリュートと呼ばれる芳香成
分です。
圧搾法(コールドプレス)
オレンジやレモンなどの柑橘類はその皮を圧搾して精油を抽出します。柑橘類の精油は熱に弱い
ため、ほとんどがこの圧搾法による抽出が行われています。例外的には水蒸気蒸留法で精油を
抽出する物にライムがあります。
精油の一般的抽出法